赤ワインの醸造と熟成

ブルゴーニュではヴィンテージによって違うワインが出来るので、醸造においてその年に適した対応をとることが必要です。従ってここに記載する醸造過程は、年によって微妙に異なってきます。
一方、地方名のブルゴーニュのワインでも、グランクリュのクロ・ヴージョでも、醸造方法を全く変えません。どのランクのワインも全て同じように造っています。

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収穫

手摘みによる収穫

50人ほどの収穫者を率いて全て手摘みで収穫します。現場の状況を見ながら3~6人の収穫者に対し1人の« vide-panier trieurs »を充てがい、籠の中のブドウをケースに空けると同時にブドウ畑で即時に選果します。ブドウが潰れないように30kg入りのケースに小分けして、アロマや繊細な風味が損なわれないよう醸造所に運びます。


醸造所に運ばれたブドウの房は除梗機に入れて花梗の部分を取り除きます。果実のみを傷つけないように優しく醸造タンクに注ぎます。

除梗と仕込み

ルモンタージュ、選奨酵母の添加とピジャージュ

一日2回ルモンタージュを行います。仕込みタンクに果実を入れてから24~48時間後に発酵用の選奨酵母を入れ、アルコール発酵が始まったら温度が最大30℃以下に納まるよう制御します。発酵が半ばに達した頃、機械によるピジャージュ(櫂入れ)をルモンタージュ(液循環)に替え、仕込みタンクからワインを引き出すタイミングまで一日に2回ルモンタージュを行います。


その年の酒質に応じて、アルコール発酵後に一度温度を上げて高温浸漬することがあります。

その後数日間、自然に温度が下がるのを待ち、30℃以下になったらワインを引いてタンクに残った果皮をプレスします。

出来上がった新酒は別のタンクに何日か置いて濁りを沈殿させ、細かい澱が浮遊した状態で樽に注入していきます。

新酒のプレス

村名アペラシオン以上のワインの熟成と瓶詰め

村名、プルミエクリュ、グランクリュのワインは、仕込みタンクから引いた後、数日後に樽詰めして18か月間寝かせます。格付けやその年のワインの特性に応じて全体の新樽率は平均25~30%で、村名なら30%、プルミエクリュ50%、グランクリュ100%といった具合に新樽を割り当てていきます。翌年の冬、マロラクティック発酵が終わると亜硫酸を添加しワインを安定させます。複数の樽に跨って18か月間の熟成を遂げた同一のアペラシオンのワインをブレンド用のステンレスタンクに集め、アペラシオン毎に卵アルブミンによって全体を清澄し、8月の瓶詰めまで静かに寝かせます。


亡きジャン・グロの住まいの地下にある非常に古いセラーの中で、6か月間、大樽に入れて熟成させます。マロラクティック発酵が終わると一度澱引きして、1~3回使用した228リットル入りの中古樽に移し替えます。これらの樽は以前に格上のワインを熟成させた樽なので、それらのワインの仄かなアロマの影響が期待されます。これらの方法で地方名のキュヴェに複雑性を与える努力をしています。

ブルゴーニュ・コート・ドールとブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・ルージュの熟成

地方名アペラシオンの赤ワインの熟成と瓶詰め

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